はのはのブログ 懐かしき日々

Yahoo!ブログでの2006年6月から2019年6月までの記憶

明野照葉の「その妻」を読みました。


本を読むリズムを取り戻そうと 年明けから頑張っていました。
息子の本で 娘や母もおもしろかったというので 「東のエデン」 を読みました。
どうも昨年読みかけていたようで まったく忘れていたのですが 最後まで読めました。

次はどうしようかと なかなか最後までいかない本ばかりでしたが
たまたま この話を 本屋さんのUSEDコーナーで発見!

もちろんまずは タイトルからでした(^_^;)
そして 本の後ろの作品紹介文が
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専業主婦を夢見る妻、聡乃。甲斐性はないが優しい夫、融也。
そして余命わずかな女性デザイナー、モナミ。
モナミの介入によって夫婦の幻想が奪われたとき、聡乃は変貌する。
鬼となった女の大胆不敵な罠を、あなたは見破ることができるか?
容赦なく深まる心理描写、予期せぬラスト。
明野サスペンスに酔いしれる1冊!
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うぉ~!今のわたしなら 読みたくなるに決まってる(笑)

まず最初が よく切れる小刀包丁をもって どこかに向かう妻の様子から。
「殺すのよ」と心の中の声を聞きつつ 殺すのはひとりじゃないふたり・・・って!(@_@;)

文章も読みやすくて とにかく 「妻」は何をするつもりなの?ってことで
短い電車の中でなど時間をみつけて 読んでいました。
そして 直島に向かう飛行機の中で 最後まで☆

妻」の心理描写は 共感できることも多く ドキドキしながら。
この夫婦は結婚生活は13年、付き合い自体は高校の頃からだから20年になる。ふむふむ。
子供はいない、夫がのぞまないから。
最初の就職先を辞めてから 仕事が続かなくなっていた夫。
やっと落ち着いて働きだしたと思ったら お世話になった10歳上の女性デザイナーの頼みで
10か月か1年、家を空けるという。
余命1年と宣告された彼女をサポートしつつ 彼女のひとりでやっている仕事の片付けも手伝う
そんな理由で。
ずっと彼女のところに行きっぱなしで・・・落ち着いたらたまには顔みに帰ってくるから といって。
普通なら「は?」と 認められない理由だが 夫はそれは断れないことであり、
これを断ると恩人に二度と会えないjことになる、どうしても彼女の力になりたいという。
妻が友達にいわれていた、あなたは「御主人に洗脳されてる」ような感じだとおもっていたって。
うまく納得できないままに どうしようもなく夫を送り出した妻は
その業界関係者から 情報をさぐってみる・・・確かに仕事は縮小して彼女も様子がおかしいと。
どうしても 女性でないとできない介護の部分のみ依頼していた女性が辞めたと聞いてから
「やっぱり何か変だ」と気付いた妻。
確かに ひとりきりでの仕事に疲れきってしまいボロボロになった女性デザイナーが
仕事ができなくなるということは「死」を宣告されたようなことだったようだが
死するまでは ビニール傘のような軽い男にくるんで欲しいというような理由で彼女は夫を選んだ。
その穏やかな時間から 女性デザイナーも予期しなかったとはいえ
別の生きる目的を手にいれてしまった。
それは 聡乃がずっとのぞんでいたけれど 裕也の妻であるために あきらめていたこと。
夫を 病気の自分の介護とだまし 子供まで身ごもって 
高齢出産やその後の育児に生きるつもりなんて!
許せない聡乃が 行動をおこす・・・ここが 最初に読んだ妻の様子になる。
でもそれは 彼女の本当の目的ではなかった。
ラストは すごいことに! 

あぁ~、そうなっちゃったのね。
夫への究極の罰のような 大きな試練というか 必死の賭けだったんだ。
それで 夫は 妻に・・・。
妻がおもっていたように 夫と妻はやっぱり同志であり
「僕のパートナーは聡乃以外にいない」 といっていたとおりだったんだ。
彼女は満足しただろう、でも その代償は・・・それも 夫婦で背負いたいとおもってるんだ。

読み終わって 「ほぅ~!」 ってしてしまった。
そこまでいったか。
そういうの 全く 考えられないなぁ~、わたし。
同志のような仲だとおもってたけど 違ったんだっておもってるし。
ただ うちと似てると感じる部分も多かった。
付き合いの長さとか 妻の考えかたや 浮世離れした夫?(笑)
夫に洗脳されてる?・・・確かに結婚した頃 ○○(夫の苗字)教に入信っていっていた(^_^;)


でも この「妻」のやりすぎが なんだか 代わりに すっきりにしてくれた気がして・・・
わたしのこころは少し楽になって 旅行を楽しめる気分が増したとおもう。

刺激されて 「わたしも!」って ならなくてよかったともいえる(笑)