はのはのブログ 懐かしき日々

Yahoo!ブログでの2006年6月から2019年6月までの記憶

西加奈子「うつくしい人」を読みました


イメージ 1先に読んでいた母に、「あなたが旅行に行っていた場所が出てくるよ。」
というので どこかなー?っと おもって読んだら
確かに2月に行った直島っぽい☆

感受性がするどく 子供のころから家族や学校のともだち、
職場での人間関係などで まわりの目を気にしながら
慎重にやってきたつもりの主人公。
特に美人で純粋で自殺未遂をはかってばかりいた姉との関係が
ずっと自分を縛っているかのように重荷になり苦しんでいた。
職場でのミスから感情を抑えられなくなっている自分に対応できなくて
やっとおもいたったのがひとり旅。

わたしの旅行の理由と違うような同じような・・・(^_^;)
考えすぎともいえる繊細なこころの主人公。
この本のタイトルの「うつくしい人」は純粋なひとということみたい。
島のホテルで 人付き合いがうまくない 不器用そうなバーテンダーにほっとする主人公。
でもホッとすることも ひとが聞いたらどうおもうか心配な主人公。
そして不思議な行動をとるドイツ人。
この3人の「うつくしい人」の会話は 相手を傷つけないように あまり深く話を掘り下げない。
それはもちろん自分も傷つけられたくないから。
そういうの、わかる気がする。
ポーン!と相手の懐にはいっていって話すひともいるけどわたしには無理。
直島のホテルでの雰囲気や主人公がそこで考えてしまうことなど 似ていておもいだしてしまった。
違うのはわたしはまわりに対して自信はないけど、自分のことが好きなところ。
主人公は自分が姉と違ってまわりから浮かないように努力して頑張って 
でもそんな自分がいやでもがいている。
主人公は何かふっきれるものを置いていけるような気分になって
爽やかにホテルを去っていく。
わたしは、帰りたくないなーとおもって帰ったけれど(笑)
フロントのスタッフの描写など同じように感じたことをおもいだした。
全然アートに触れていなかったけれど 仕方ないのだろうな。

あとがきで 西さんはここに訪れたときは とっても楽しく過ごされたようす、
でもこの話しを書いていたきは 精神的に参っていたのだと。
苦しい気持ちがわかりすぎたり そこまで?とおもうほど
「中2状態」と書いてもありましたが ナーバスな思春期のままずっといるひとたちの話でした。