はのはのブログ 懐かしき日々

Yahoo!ブログでの2006年6月から2019年6月までの記憶

川上 弘美 「風花」を読みました

まず なぜこの本を選んだか・・・なんとなく 本屋さんでみつけて(笑)
文庫本の裏には 結婚7年目の夫の浮気を知らされ、離婚したほうがいいのか 悩みながら自分と向き合い 前に進んでいく という内容。
 
そして、解説を 小池 真理子が書いていた。
わたしは 小池 真理子の「無伴奏」を読んでいたので。
 
彼女いわく この話しの主人公は 何年も続いている夫への不信感、夫ととの間にできてしまった溝の深さに深く傷つき、苦しみながらも、とりあえず日々の生活を営みつづける。
悲しいのか悔しいのか、怒りたいのか泣きたいのか、わからないような時間の流れの中にいて「じっとうずくまって生きる」。そして 「日常」をこなしながら 前に進む。
 
夫と 出会った頃とは違うけれど 静かな結婚生活を送っているはずだったのに。
 
今まで自分が夫に呼び掛ける時の言い方を、実は夫は嫌いだったとか。
夫はおとなしい自信のないタイプの男とおもっていたが、実は外では堂々としていておしゃれなレストランでのふるまいにおどろくとか。(浮気相手の女性もそのようなひとだったり)
夫がファミレスが嫌いだと いっていたから 自分ひとりでもいかなくなっていたのに、夫は仕事のランチでもひとりのときでも ファミレスをよく使っていると本人から聞かされるとか。(ファミレスは嫌いといったことも覚えていない夫)
「別れて欲しい。」という態度の夫に どうすればいいのかわからないまま 彼の好む呼び方で「離れたくない」と何度もいうと、「プライドはないのか。」といわれ・・・それでも 首に手をまわして 夫のくちびるにくちびるを寄せる。夫は拒みもしないし、強調もしない。
 
他人と共にやっていこうとする努力って みっともないこどなんだなって思う主人公。
 
ただ、そうしながらも 本当の自分の気持ちがわかっていなかった・・・
 
夫は浮気相手と別れて 静かに戻ってきたときには 彼女はゆっくり進みはじめていた。
おとなしい 頼りない妻が部屋を借りひとりで出て行ってから 、夫は「悪かった」とおもい 丁寧に彼女をもとめる。結婚前に どうしてこういう関係を築けなかったのか。そうしたら、結婚していたのだろうか?
 
 
 
この話しは、「わたしだけが知っている夫」 が本当の夫ではなかったと 他人から夫自信からも知らされる・・・
 
自分のことに置き換えて 考えてしまいました。
もちろん、それは 逆もありえる・・・それには 驚かない 今のわたし。
 
結婚までに いろいろ理解しあって 似ているところだけでなく、お互いの違う部分が新鮮で一緒になったとおもう
夫とわたし。他のひとがしたら許せないけど、夫なら気にならない・・・とか。
それって「好き」って気持ちが強いからこそ いいようにおもえるってことなんだろうな。
少し落ち着いてきて、我慢もむずかしくなったら 「違う」ところは「同じ」ひとに求めたくなるのかも。
 
 
それでも、とりあえず女性は「日常」をこなしながら 前へ進む・・・その通りだなぁ。
 
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