はのはのブログ 懐かしき日々

Yahoo!ブログでの2006年6月から2019年6月までの記憶

「黄金のアデーレ 名画の帰還」を観ました☆


日曜日、今年最後の絵の仕事のあと映画館にちょうどいい時間に滑り込んで観てきました(笑)
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クリムトの絵にまつわる話しだとおもっていましたが予想とは違うお話。
確かに、「名画の帰還」とあります。
この絵のモデルであるアデーレはオーストリアに住むユダヤ人で
幼い頃にともに時間を過ごした姪が主人公。
「クイーン」でエリザべス女王を演じたヘレン・ミレンです☆
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ナチスオーストリアを占領したさいに没収された資産のひとつ。
それがオーストリア政府の所蔵となっていて美術館に展示されているのを
返還請求するという話し・・・実話でした。
そういった活動はずっとあるようでこの名画についても名画過ぎて無理な問題だということを覆したという☆
病気の親を残して命がけでオーストリアから脱出してアメリカ人となったマリア(ヘレン・ミレン)は苦しみながら
友人の息子で同じような親族をもつ駆け出し弁護士とのタッグで取り組みました。
オーストリアで裁判を起こすとなると莫大な資金が必要となり一度はあきらめかけたものの
遺産の相続の権利やことの経緯、アメリカでこの名画で利益を得ているという理由からまずはアメリカ政府を味方につけることに成功!
それからアメリカ政府を後ろ盾にオーストリア政府との調停で・・・。
最後のオーストリア政府との話しはさらりと決まったようでしたが マリアがオーストリアから逃げ出してくるときや
複雑な気持ちでオーストリアに戻り 懐かしい建物や部屋をみて過去を回想するシーンなどよかったです。
やっぱり怖い苦しい思いをした国にもどるのはつらかったとおもいます。
通りすがりのひとに心無い言葉をかけられたりのシーンもありました。
最近はまたヨーロッパをユダヤ人が終われイスラエルに移住しているというニュースもあります。
アメリカのユダヤ人目線からの映画ともいえるでしょうけれど 知らなかったなぁ。
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2006年にはロサンゼルスのギャラリーに展示されたようですが
うちにある クリムト25周年のタッシェンの画集(2009年発売)では
この絵はまだオーストリア美術館所蔵となっています。
この日本語版は解説も丁寧でとても見ごたえがあります(*^_^*)

本当につい最近の話しがナチスのことにつながってるんですね。
よく考えればそうなんですけどピンときていなかった。
いちどオーストリアで返還請求の却下され、屈辱的なおもいをしたマリアは2度とその祖国に戻りたくはなかったようです。
クリムトのことより、ユダヤ人の苦しみを知る映画となりました。
マリアを助ける若き弁護士であるランドルも
ホロコースト記念碑に記された収容所名から犠牲になった曾祖父などをおもって
トイレで声を殺して涙するシーンがありました。

最後までは よかったのですが、映画のはじまりの部分は少しウトウトしてしまった。
仕事のあとで疲れていたとはおもうけれど どちらかというとつまらなかったかわかりにくかったのかも。
マリアの亡くなった姉が名画の返還をしようとおもっていたとわかったと話しているところから
マリア自身がオーストリアから逃げ出すシーンにいくまでが どういう流れだったのか わかりません(^-^;
若き弁護士のランドルを支える妻の姿も素敵でした☆

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