はのはのブログ 懐かしき日々

Yahoo!ブログでの2006年6月から2019年6月までの記憶

沢木耕太郎 の 「深夜特急3」を読みました

「3」はインド・ネパール編です・・・。
予想していましたが、やっぱりヘビーでディープな地域でした。イメージ 1
何度もマレーシアに戻りたくなったぐらいでした。
戻ってましたけど(笑)
 
シンガポールで知り合った日本人特派員のところで、久しぶりに
家庭の温かさや日本食を満喫した作者は インドに向かうことを
決めた。それも、いったんバンコクに戻って(-_-;)
 
まずはインドのカルカッタ
物乞いのひどい姿、幼児売春、カーストの制度。
話しには聞いたことあったけど、現実なんだろうけど・・・
辛すぎる現実だった。
食べられずに死んでしまうぐらいなら、少しでも可能性があるなら
自らの体をわが子の体を傷つけてでも生きる道を選ぶのか。
教育の問題なのか・・・カースト制度の影響か。
子供が犠牲になっている。
わが子と変わらぬ歳の、わが子が無邪気に過ごしていた頃と
同じ幼児期の子供までが犠牲になっているのだ。
 
これを読むと、実際自分では行けないな~。
勢いのいい経済状況の今なら、少しよくなってるのでしょうか。
でも、何でも金額交渉をするのなら・・・やはり、無理だ。
蝿の大群を無視して食事もできないし。
 
 
それから、ネパールのカトマンズに、友人を訪ねついでに向かう作者。
 
山に降りしきる冷たい雨は憂鬱な気分を引き起こし、やる気のないヒッピーとともにクスリに溺れる日々。
自分はなぜ生きているのか、いつか考えようとおもってクスリ浸る。
ハマりすぎて、死んでいく外国人ヒッピーの若者たち。
自分もいずれとおもったときに、旅立つ決意ができてよかった。
そのとき、雨が止んでよかった。
美しい夕焼けが作者の心をあと押ししてくれてよかった。
 
そして、ヒンドゥー教徒の聖地、ペナレスに。
聖者も物乞いも観光客もヒッピーも、聖地でもあり観光地でもあるところだ。
ここのガンジス河で沐浴すれば、あらゆる罪は洗い流され清められるという・・・。
風呂がわりに体を洗い、プールかわりに泳ぐ・・・その河のそばで死体が焼かれ、流される。
焼かれないまま沈められた死体がうきあがってきたところを鳥がついばむ。
その死体を焼く匂い・・・。
なぜ、それに作者は引き寄せられたのだろうか?
霊感が強いひとは、そこのガンジス河に入るなんてできないって、みただけで恐ろしいものが見えるって聞いたことがある。
このペナレスを離れると決めてから、作者はひどい熱と頭痛に悩まされつづけるのだ。
その苦しい体調を酷使しながら逃げるように死に物狂いで移動していく。
ようやくデリーにたどり着いた作者は、そんな体調のまま再び深い眠りについたところで終わっている。
 
これを読む途中に、JーCOMでたまたまやっていたのがブラビの「セブンイヤーズ・イン・チベット」。
何度か観ている映画だけれど、気分をかえたくて。
スパイシーな香りの「エベレスト・チャイ」を飲みながら・・・。
ブラビやチベットのひとの試練に心を寄せ、ブラビの笑顔にはにやけてしまう♥
 
そして、この本に戻ると死体の匂い・・・、ふぅ~。
「4」は、いよいよシルクロードです。
そもそも、この旅はここからのはずだったろうに・・・。
インドにはまって帰らない若者って、こんな感じを抜けられなくなってるのかな・・・。