白石一文 の 「ほかならぬ人へ」を読みました
またまた 初めての作家さんです。
なぜこの本を手にとったのか・・・[ほかならぬ人へ」ともうひとつ「かけがえのない人へ」もあって
本の帯に愛するべき真の相手は、どこにいるのだろう?とあったからかも・・・
いったい私は何をもとめてるんだか・・・(笑)
本棚のタイトルって 心の中そのままだったりするから 恥ずかしいですね~、ふふふ。
「ほかならぬ人へ」は・・・
生い立ちからの環境に不適合な自分、そのコンプレックスのため自分を否定しながら生きる主人公。
唯一自分らしくいられる存在として結婚した相手・・・その妻の裏切り というか わからなかった本当の妻の姿。
それまで、一緒に仕事をしていた上司(女性)に支えられ
苦しみをわかちあうことで 寄り添い深くなる愛。
手が届かなくなってから 気づく 「ほかならぬ人」の存在。
ほかならぬ人の魅惑的な香りに いつも癒されていたのに、
特別な香水をつけているという彼女のことばを信じていた。
それが、彼女の醸し出す自然の香りで その香りは 彼女の存在とともに消えてしまう香りだったなんて・・・。
失ったひとの香りを想い・・・寂しくなる、せつなさが 特に心に残ったおはなしでした。
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わたしは、いつも決まったオーデ・トワレをつけていて。
(夜落ち着いて眠れる・・・という自己暗示にもなってるようです)
他のひとに 何かいわれたことはないけど・・・
子供達は、私の匂いがして好きっといって 気を抜いていたらよく私のベッドで昼寝をしてます(笑)
母の使っていた香水も やっぱり私には懐かしい・・・。
亡くなった父の好んだ葉タバコの香り・・・大好き。
わたしにとって、汗臭いだけの息子に隣の席の女の子が、「いつもいい香りしてるね・・・」っといった話をきいて、
「それは よくあるダウニーのクリーンブリーズ(青)だから・・・気に入ったなら使ってみて」ってこたえさせてしまったことも・・・何だかイライラしてしまった(笑)
もうひとつの「かけがえのない人へ」は・・・
結婚と情愛は別というような どちらにも熱くなれないような主人公。
勤務先の会社内の話しもあって、なつかしい 今のわたしには遠い世界の話しで。
男女の中はいろんな形があるけど、仕事の上司ってつい心を許すというかすごく身近なひとのようにおもっていたこともを思い出しました。
私は恋愛になったりは考えられなかったけど、主人公が「かけがえのない人」を心配しての会社の上司へ行動は 熱くなってた・・・頑張ってた。
じわじわと大事な存在だとわかってきていたところでの・・・別離。
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彼はどうしてはっきりわかるまで、一緒にいてくれなかったのか・・・
彼女を想って身をひいたのだろうけど、心はつながっていたはずなのに・・・
勝手に捨てて行く男の優しさ、わたしは嫌いだ~(泣)
「失ってからわかる」 っていうのは やっぱり嫌、辛すぎる ・・・ため息とともに、悲しく本を閉じました。